派遣社員の間でよく話題に上がるのが、時給やお給料の話。
でも、よく考えてみると派遣先企業は派遣会社にいくら払っているんでしょうか?
また、その差額から出た売り上げは何に使っているんでしょうか?
そもそも「マージン率」って何?と思った方の為に、今回は派遣会社のマージン率について説明していきます。
派遣会社のマージン率とは
派遣社員の給料は、派遣先企業が派遣会社に支払ったものから算出し支払われています。
派遣会社のマージン率とは、派遣先企業から支払われる請求金額に対し、派遣社員の給料を支払った後に残る差額の事を指します。
派遣社員としてはこのマージン率が高ければ高いほど、派遣会社の抜き幅があるように思ってしまいますが実際のところはどうでしょうか?
派遣会社のマージン率の計算方法
厚生労働省が集計した「平成28年度労働者派遣事業報告書」によると、派遣先から派遣会社に支払われる請求の平均は、19,083円(8時間換算)となっています。
そして、派遣会社から派遣社員に支払われる給料の平均が12,624円(8時間換算)となりその差額は、
(請求単価)19,083円-(派遣社員の給料)12,624円=(差額)6,459円
となり、1時間当たりの計算しなおすと1時間当たり807円となります。
約800円の差額という事は、派遣社員が1,000円の時給だとすると派遣先から派遣会社に支払われる請求の時間あたりの金額は1,800円となります。
結論、1日で考えると約6,500円、1時間で考えると約800円が派遣会社と派遣社員の差額となります。
全国の派遣会社の平均の数値を元に算出しているので、実際の派遣会社のマージン率は会社によって異なります。あくまで参考値として下さい。
派遣会社は抜きすぎじゃないの?
全国平均で考えても1日約6500円もの差額があると、1ヵ月のフルタイム金額だと約22日もあるので、
6,500円×22日=143,000円
と、一人当たりの抜き幅が大きく見えますが、派遣会社はこの差額の金額から、
- 派遣社員の社会保険料、厚生年金保険料の折半額
- 雇用保険料、労災保険料
- 広告宣伝費
- 教育訓練費
- 福利厚生費
- 派遣社員の有給休暇に関する負担費用
- 派遣会社の家賃、光熱費、通信費、保険料
- 派遣会社の営業マンの人件費、燃料費
などを支払わなければなりません。
これらの経費を差し引いた金額が会社の営業利益となり、派遣会社の利益となりますので「メチャクチャ儲けている」という程の金額は残りません。
雇用元の派遣会社のマージン率を知りたい
平成24年度の労働者派遣法の改正から、全ての派遣会社は事業所ごとに派遣料金や派遣社員の賃金の平均額の差額を公開する事が義務付けられています。
しかしながら、公開方法に関しては「インターネットなどにより」と極めて曖昧な表現で条文に記されている為、自社のホームページ等では一般公開せず、事業所の片隅に小さく表示したものを置くだけの企業が大半です。
厚生労働省による「平成28年度の労働者派遣事業報告書」においても、インターネットで自社のマージン率を公開している企業は全体の2割しかありませんでした。
ですが派遣社員から直接聞かれた場合、マージン率は公開しているものなので、派遣会社の担当者はきちんと答える義務があります。
雇用元である派遣会社のマージン率を知りたい時、自身のマージン率を知りたい時は派遣会社の担当者に問い合わせましょう。
まとめ
派遣会社のマージン率は公開が義務付けされているのにも関わらず、派遣社員が目の付く範囲に置かれているケースは多くありません。
こういった部分でもいい派遣会社か悪徳な派遣会社を見極められるので、マージン率が気になった場合は派遣会社に遠慮なく問い合わせしましょう。