少し前から派遣業界で話題になっている2018年問題。
「聞いたことはあるけど、よくわかんない。」という声をよく聞きます。
この問題は派遣で働く私たちにどのような影響を及ぼすのでしょうか?
巷では2008年のリーマンショックの際に起きた大量の派遣切りの再来が懸念されています。一体どういった問題なのか、そしてどういった対策をすればいいのか?
説明していきます。
2018年問題って何?
2015年に労働派遣法が改定され、派遣労働者が同じ派遣先で働ける事が3年までとなりました。そして3年目以降については、労働者の雇用安定として以下の措置を派遣会社が取ることになりました。
①派遣先への直接雇用の依頼
②新たな派遣先の提供
③派遣元での(派遣労働者以外としての)無期雇用
④その他安定した雇用の継続を図るための措置
つまり、3年以上派遣労働者として同じ派遣先に勤務すると派遣先、もしくは派遣元の会社で直接雇用となります(パートやアルバイトでの雇用も有り)。それは、たとえ派遣先での直接雇用が断られたとしても、派遣会社は有期もしくは無期で直接雇用しなければなりません。
その為、コストが増大し、措置を講じることが出来ない派遣会社は、派遣労働者の雇い止めや契約の更新を行わないといった、いわゆる派遣切りを行う懸念があります。それが2018年問題です。
では、3年以上同じ職場で勤務した派遣社員は、派遣先に直接雇用を断られた場合、今の派遣先では働けないのでしょうか?
いえ、その場合は無期雇用派遣というものがあります。
派遣の無期雇用派遣て何?
契約期間が決まっているもの=有期雇用
契約期間の定めがないもの=無期雇用
と、言葉の通りになります。派遣で契約の期限が無いと、一見すると正社員と同条件のようにみえますが、残念ながら同じ点は契約期間の定めが無いという点のみです。つまり、正社員の立場になれるわけではなく、派遣社員という点は変わりません。では、どういったメリットがあるのかというと、
・派遣先の契約が終了しても、派遣会社が雇用を保証してくれる。
・派遣期間制限の3年を超えても同じ派遣先で働ける。
といったところです。
派遣労働者は契約期間の終了とともに雇い止めされる心配が無くなります。あなたの今の契約は有期契約なのか無期契約なのか今一度確認しましょう。
有期雇用だった場合、どうすれば無期雇用に変更されるのでしょうか?
その場合は無期転換ルールというものがありますので、次項を参考にして下さい。
無期転換ルールって何?
有期雇用契約を無期雇用契約に変更する制度です。
ただしそれには条件があります。
①有期雇用の期間が5年以上である事(同じ職場、事業主であること)
②労働者からの申し出があること
③契約更新が1回以上あること
ここで注意しなければならない点は、②です。派遣労働者からの申し出が必要となります。派遣会社からの打診を待っていてはいけません。
まとめ
簡単ではありますが、2018年問題の説明は以上です。
要は、「簡単に派遣を切れなくなったので、そのルールが適用される前に切ってしまおう」とする派遣会社が存在することが問題なのです。
たしかに派遣労働者を全て無期雇用に転換したり、雇い入れすることは莫大なコストがかかります。
しかし、法律で決まった以上、その抜け道を探すのではなく向き合うことが派遣会社として重要ではないのでしょうか。
ルールが守れない派遣会社であれば潰れて当然です。
派遣労働者の多くはこういった法律の改定を知らず、派遣会社に言われるがままの状況が多々見られます。法律問題は理解に難しい時もありますが、理不尽な不利益を被らないためにも、しっかりと覚えていきましょう。