「派遣から正社員になりたい。」
そう考えている派遣社員の方は少なくないはずです。ですが、実際に派遣社員から正社員になるにはどうしたらいいのでしょうか?派遣社員にとって正社員への道は厳しいのでしょうか?
「あれ?そういえば紹介予定派遣って派遣から正社員になれるの?」
派遣社員として働く方なら、紹介予定派遣のことは内容は知らずとも、聞いたことはあるかと思います。
そこで、時々耳にする紹介予定派遣とは一体どのような制度なのか説明していきます。
紹介予定派遣とは?
紹介予定派遣とは、派遣社員が派遣先で直接雇用されることをあらかじめ確約ではなく前提として決めておいて、一定期間(最長6ヵ月間)を派遣社員として働くという形態です。派遣の契約期間が終了する前に、在籍する派遣会社が仲介役となり、派遣先と派遣社員の双方が合意すれば晴れて直接雇用となります。
ここで注意しなくてはならない点は、
①雇用が確約されているわけではない。
②直接雇用でも正社員ではなく、契約社員の可能性もある。
という点です。紹介予定派遣=派遣先での正社員登用ではありません。こちらは事前の説明で確認できますので、面接や説明会の際には必ず担当者に確認しておきましょう。
また、①については企業側と派遣社員側の双方の承諾が必要となりますので、仮にあなたが「やっぱりやめておこう。」となった場合、断りを入れることも可能です。もし派遣先側から断りがあった場合、仲介役である派遣会社はその理由を当該派遣社員に対して明示しなくてはなりません。
どうすれば紹介予定派遣になるの?
まず、紹介予定派遣が行える派遣会社と行えない会社があります。その違いは「有料職業紹介」という許認可を派遣会社が持っているかどうかです。これを持っているかどうかの確認は、その派遣会社のホームページで確認するか、労働局に問い合わせ、当該派遣会社の許認可番号を確認しましょう。
紹介予定派遣が行える会社を見つけたその次は、企業の募集として紹介予定派遣の案件があるかどうかを派遣会社に確認しましょう。そしてその募集内容があなたの希望する条件と照らし合わせてみましょう。
そして、その派遣先で直接雇用での勤務を希望する旨を派遣会社に伝え、面接を受けましょう。
登録型派遣との違いはあるの?
派遣先に直接雇用となるまでは、登録型派遣も紹介予定派遣も基本的に違いはありません。一つだけ違う点は、「紹介予定派遣は派遣先による事前面接」が行われる事です。登録型派遣での事前面接は違法とされていますが、紹介予定派遣は派遣先としても直接雇用を前提とした採用となりますので、当然のこととなります。
紹介予定派遣の実態は?
紹介予定派遣は直接雇用を前提としている以上、登録型派遣よりも採用率は低くなっているのが現状です。また、見事採用となり勤務した後でも直接雇用となるのは約5割程度と決していい数字ではありません。
事前の面接においても、正社員と同じく複数回に渡って行われる企業もあります。
また、派遣期間は最長6ヵ月となっていますが、ほとんどの企業は3~6ヵ月の派遣期間を定めています。派遣後すぐに直接雇用となるのではなく、一定期間は派遣として勤務することも覚えておきましょう。
まとめ
必ずしも正社員になれるわけではない紹介予定派遣ですが、働く側にとっても事前に職場の雰囲気や仕事の内容を知ることができるメリットもあります。
派遣社員だから正社員になれない、と決めつけるのではなくこういった制度を上手に利用し、ご自身のライフプランに活かしてください。