街の中では、医療施設や介護施設、老人ホームなどを目にすることも増えたのではないでしょうか。
介護の仕事ときくと、「残業が多いイメージで体力的にも大変なのでは?」
と思っている方も多くいるのではと思います。
実際、介護の仕事とはどんな仕事なのでしょうか、また介護の仕事に派遣社員として働くことはできるのでしょうか。
そこで今回は「介護派遣」についてお話していきます。
目次
介護の仕事ってどんな仕事?
介護の仕事は、介護施設で高齢者の身の回りの介助をし、その人がその人らしい生活を送れるようにサポートや、手助けを行う仕事です。
どんなところで働くの?
介護施設の中には様々な施設があります。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護老人保健施設、有料老人ホーム、認知症グループホームなどの入所施設。これらの介護入所型の施設での場合は24時間体制勤務となります。
他にも、デイサービス(通所介護)、デイケア(通所リハビリテーション)など、日中だけ利用者が滞在する日帰り施設での介護や、在宅利用・日帰り利用・宿泊もある小規模多機能施設(小規模多機能型居宅介護)などもあります。
具体的にはどんなことをするの?
介護施設の利用者の方が日常生活を送るうえで、病気や障害、筋力の低下などによって自分ではできない部分をサポートすることがメインの仕事です。
たとえば・・・
朝は、
- 着替え・洗顔・排泄のサポート
- 食事・投薬
昼は、
- 転倒予防体操などの運動メニューの指導や見守り
- 折り紙や書道などの趣味活動
- 入浴のサポート
夜は、
- ナースコールの対応やおむつ交換
- リネン類の確認や補充
など、介護施設によって異なりますが入所施設で働く介護職員の場合、24時間通して介護をするため、勤務は交代制となっています。
仕事内容についてもっと詳しく知りたい!
代表的な介護の仕事内容について、もう少し詳しくみていきましょう。
入浴介助
入所型施設の場合は午前中に1度、午後にも1度計2度入浴を行い、通所型施設の場合は、午前中に1度行うことが多いようです。
お風呂の水温だけでなく、着替えをする段階から室温にも注意が必要となります。
またお風呂場は大変滑りやすい状態になっているため、転倒防止に気を配ります。
介護の仕事の中でも体力のいる仕事の一つですが、お風呂に入り気持ちよさそうな利用者の方のお顔を見ることができるので、やりがいを感じている人も少なくありません。
排泄介助
「排泄」という行為自体が、自分自身で出来なくなってしまっていることが、利用者の方にとってストレスとなっています。ですので、排泄介助に関わる介護者は信頼関係を築かなくてはなりません。
また、タイミングや回数は利用者の方によって異なり様々であるため、常に気にかけていることが必要になってきます。
介助される方側の精神的な負担やストレス、身体的な不快が最小限になるよう、心配りを忘れずに介助にあたることが、とても大切なことです。
食事介助
自分自身で食事をとることが困難な方に対しては、食事の介助も行います。
人によってそれぞれ噛む力や飲み込む力は異なりますので、その人に合ったお食事を召し上がっていただきます。
口から召し上がることで、五感が刺激され、食べることへの喜びを感じていただけます、またそのおかげで、食事が増すこともあるようです。
口腔ケア
歯磨きを手伝い、口腔内の細菌を減少させることです。
ブラッシングはできるだけご自身で行っていただきますが、困難な方には介護職員が行い、またその際にも、手を添えてご自身で磨いているように思っていただけるように行います。
口腔内の細菌は、お口の中の粘膜を通して体全体に行きわたり様々な病気を引き起こす原因にもなることが分かってきていますので、口腔ケアはとても大切な仕事と言えるでしょう。
レクリェーション
利用者一人一人のレベルに合わせたゲームや、体の機能回復につながる動きを取り入れながら、集団で催しを行います。
たとえば、風船やボールを使ってゲームをしたり、工作したり歌を歌ったり、内容は様々です。
そこにいる皆さんが楽しんでもらえるような内容ればるを考えながら行います。
手先を動かすことは、高齢者の健康にはとてもよいことで、長生きするためのエッセンスにもなります。
利用者の方と自分も一緒に楽しむことで、レクリエーションを通して利用者の方との距離を縮めることができるのではないでしょうか。
移乗の介助
ベッドから車いすに移動する際、サポートすることです。
歩行が困難な高齢者の方にとっては、椅子・車いす・便座・ベッドなどに移乗できるかどうかが、寝たきりになることを防ぐという意味で、とても重要で大切なこととなります。
就寝介助
就寝のためのサポートをします。
「靴下は履いたまま寝る」
「絶対パジャマの上をズボンに入れないと嫌」
など、その人によってそれぞれこだわりがありますよね。
利用者の方も同じです。一人一人に合わせたサポートが必要となってくるでしょう。
介護の仕事は資格がないとできないの?
介護の仕事が未経験の場合、資格がないと介護の仕事はできないのでは?と思っている方も多いのではないでしょうか。
介護職には、「介護福祉士」や「ホームヘルパー」などといった様々な種類の資格がありますが、資格を持っていないから介護職には就けないということはほとんどありません。
経験や資格は働きながらとることもできます。
一番大切なのは、
「介護職で働きたい」という気持ちだと思います。
しかし、どうしても資格を持っている人のほうが仕事に就く際有利になってきてしまうのが実際のところですが、誰でも最初は未経験です。
まずは、先輩のサポートを受けながら簡単なことから一つ一つ仕事を覚え、介護の現場を学びながら資格を習得し、ステップアップしていくこともいいのではないでしょうか。
会社によっては資格をとることにサポートをしてくれるところもあるようですので、一度確認してみてくださいね。
派遣社員として介護の現場で働けるの?
様々な職種で人手不足が深刻化されている現在ですが、介護の現場でもそれは同じです。
そのため、派遣社員に対するニーズがますます高まってきています。
介護の仕事は「残業が多くて大変なのでは?」などと不安に思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、派遣社員ならあらかじめ希望した時間帯や日数で働くことが可能となるので、そのような不安の多くは解消できることでしょう。
特に介護の現場が未経験な人は、一定期間派遣社員として働いてみて初めて分かることや経験できることも多くあると思います。
その中でも、介護の職場によっては即戦力となる派遣社員を求めている場合もあり、介護福祉士などの資格を持っている人が有利なケースもあるようです。
介護の派遣社員と正社員はどんなところが違うの?
同じ介護現場でも、派遣社員と正社員では給与や仕事の内容が異なります。
派遣社員の場合は基本的に時給で働き、働いた分のお給料がもらえます。ボーナスは支給されません。
また介護施設や医療機関の多くは24時間勤務となるためシフト制を採用していますが、派遣社員の場合希望しなければ、早番や遅番、夜勤や宿直などを強制的に割り当てられることはほとんどないです。
派遣先によって状況はやや変わってくる部分はあるかもしれませんが、勤務時間や日数、曜日などを自分の希望に基づいてきめることができるのも、派社員と正社員の大きな違いかと思われます。
仕事の内容も派遣社員は契約書に記載された業務以外は行うことができません。
もし派遣先が契約内容と異なる仕事を派遣社員に求めてきた場合でも、派遣会社に事情を説明すれば、すぐに派遣先と交渉してくれるでしょう。
受け持つ仕事の範囲も正社員に比べると幅が少ないことが多く、責任も正社員より軽いのが派遣社員です。
これらのことが、派遣社員と正社員の大きな違いかと思います。
介護派遣のメリットは?
介護の現場で派遣社員として働くメリットにはどんなことがあるのでしょうか。
自分のライフスタイルに合わせた働き方を選択できる
どんな人にだって労働条件の希望がありますよね。
介護の現場は24時間勤務が多く夜勤などもありますが、派遣社員の場合は自分の希望する時間帯や日数を選ぶことができます。
また派遣社員の場合は、そのような希望や条件を派遣会社が仲介に入って交渉してくれます。
介護の職場は残業も多いイメージですが、派遣社員の場合は残業はないことがほとんどです。
仕事とプライベートを両立できることは、派遣社員で働く大きなメリットではないでしょうか。
介護派遣は時給が高いケースが多い
介護の派遣社員の時給は1000円を超えるのは普通で、高いところだと1500円以上になることもあるようです。
他の派遣社員の職種と比べると高時給なケースが多いようです。
また派遣会社によっては福利厚生がしっかりしているところもあります。
派遣先や、資格の有無によっても変わってくるとは思いますので、派遣会社に一度確認してみましょう。
資格取得のサポートをしてくれる
派遣会社の中には、派遣社員として働くことで資格取得にかかる費用を負担してくれる派遣会社があります。
介護の資格としてまず取得することが多い「初任者研修」にかかる費用は相場で8万ほどします。そのような資格取得にかかる費用に対してサポートしてくれ、格安で取得することが可能な場合があるので、未経験で介護の現場で働こうと考えている方には大きなメリットではないでしょうか。
一度派遣会社に確認してみてくださいね。
介護派遣のデメリットは?
では派遣社員として介護の現場で働く際のデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
ボーナスがない
サービス残業がなく、時給は高いと言っても派遣社員はボーナスがありません。
年収で比べると、自然と正社員も低くなってしまいます。
しかし、中には正社員でもボーナスがなかったり、少ない介護施設もあります。そのような施設の場合ですと、正社員よりも派遣社員の方が年収が高くなるケースもあるかもしれません。
任期満了で仕事がなくなる可能性もある
派遣社員には契約期間がある場合がほとんどです。
契約期間に任期満了と同時に仕事がなくなってしまう場合や、新しい仕事を探さなくてはならない場合もあります。
人手不足を補うために介護派遣を利用している介護施設が多いので、このようなケースは多くはないかもしれませんが、このことは派遣社員としての大きなデメリットであると考えられるので注意しておきましょう。
正社員よりも下に見られてしまうことがある
派遣先となる介護施設や、そこで働く社員にもよって異なりますが、派遣社員が下に見られてしまうこともあるようです。
派遣社員というだけで、そのように見られてしまい職場の人間関係がギスギスしてしまうなどのこともあるかもしれません。
しかし、派遣社員に対する理解を持った職場や社員なら、なんの問題もないでしょう。
もし、そのようなことがあった場合には、派遣会社の担当者にすぐに相談してみてくださいね。
まとめ
今回は介護派遣についてお話してきました。
体力的には大変な仕事かもしれませんが、利用者の方と触れ合い、またその方たちに少しでも笑顔になってもらえるようにサポートする、素敵な仕事だと思います。
未経験でも、派遣社員として介護の職場を知ることから始めてみて、そこから資格をとることも可能です。
まずは介護派遣として、次のステップアップをしていくきっかけを作るのもいいのではないでしょうか。